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「古典は古い本」ではなく現代に生きていることを知る読書会42
2017年11月18日(土) 10:00 - 12:00
大阪府
大阪府大阪市北区茶屋町1-27ABC-MART梅田ビル1Fサンマルクカフェ 大阪梅田茶屋町店
然しながら、伝統の貫禄だけでは、永遠の生命を維持することはできないのだ。舞妓のキモノがダンスホールを圧倒し、力士の儀礼が国技館を圧倒しても、伝統の貫禄だけで、舞妓や力士が永遠の生命を維持するわけには行かない。貫禄を維持するだけの実質がなければ、やがては滅びる外に仕方がない。問題は、伝統や貫禄ではなく、実質だ。
名著『堕落論』で読書会を実施しました。坂口安吾は日本の思想史においてどの系列に属しているわけでもない特殊な存在なだけに新鮮です。
強いて言えばニーチェに似ている部分がある気がします。
”みたところのスマートだけでは、真に美なるものとはなりえない。全ては、実質の問題だ。美しさのための美しさは素直でなく、結局、本当の物ではないのである。
”
坂口安吾『堕落論・日本文化史観』