レポート詳細

「古典は古い本」ではなく現代に生きていることを知る読書会70
2018年9月2日(日) 10:00 - 12:00
大阪府
530-0013 大阪府 大阪市北区 茶屋町19-19 アプローズタワー 1Fスターバックスコーヒー ちゃやまちアプローズタワー店
つまり 自分 には、 人間 の 営み という もの が 未だに 何 も わかっ て い ない、 という 事 になり そう です。 自分 の 幸福 の 観念 と、 世 の すべて の 人 たち の 幸福 の 観念 とが、 まるで 食い ちがっ て いる よう な 不安、 自分 は その 不安 の ため に 夜々、 転 輾 し、 呻吟 し、 発狂 し かけ た 事 さえ あり ます。
普段小説ではやってないのでチャレンジングな部分が多かったですが、参加者の方のご協力もあり『人間失格』にて読書会が開催できました。人間失格の大庭葉造ですが、どこか共感できる部分もあるというところが読みどころかと思います。
今後も改善しつつ小説の方でも定期的に開催できるようにしたいと思います。
12月に大岡昇平『野火』を開催予定しています。
”非合法。 自分 には、 それ が 幽か に 楽しかっ た の です。 むしろ、 居心地 が よかっ た の です。 世の中 の 合法 という もの の ほう が、 かえって おそろしく、( それ には、 底 知れ ず 強い もの が 予感 せら れ ます) その からくり が 不可解 で、 とても その 窓 の 無い、 底冷え の する 部屋 には 坐っ て おら れ ず、 外 は 非合法 の 海 で あっ ても、 それ に 飛び込ん で 泳い で、 やがて 死に 到る ほう が、 自分 には、 いっそ 気楽 の よう でし た。”
太宰治『人間失格』