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「古典は古い本」ではなく現代に生きていることを知る読書会119
2020年1月4日(土) 20:00 - 22:00
東京都
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透明性を高めずに、年功賃金や長期雇用を廃止することはできない。なぜならこれらの慣行は、経営の裁量を抑えるルールとして、労働者側が達成したものだったからである。日本の労働者たちは、職務の明確化や人事の透明化による「職務の平等」を求めなかった代わりに、長期雇用や年功賃金による「社員の平等」を求めた。そこでは昇進・採用などにおける不透明さは、長期雇用や年功賃金のルールが守られている代償として、いわば取引として容認されていたのだ。
「雇用」については誰もが雄弁に語ります。何故ならば、ほとんどの人がその道を通ってきたからです。しかし、自分の生きてきた世界がいかに狭い世界を見てきたものであったかを知ることができるのが同著の最大の魅力だと私は思います。
次回はJ.Sミルの『自由論』にて開催いたします。