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レポート詳細

「読み」には分野を超えた普遍性はあるのか?

2020年7月30日(木) 20:00~21:30(ご入室19:55~)※終了時間は若干前後します

東京都

オンライン(ZOOMにて開催)

本日(7/30木)のアカデミック読書会は、『アカデミック・スキルズ 第3版 ―大学生のための知的技法入門』(慶應義塾大学出版会)の「第4章 本を読む ―クリティカルリーディングの手法」を「学術資料の読み方とは?」をテーマに読みました。

文系と理系で読み方は違うのか?、論の正しさはどのように担保するか?、その担保の仕方は文系と理系で違いがあるのか?、文系と理系の違いは実は基礎研究と応用研究の違いによるものではないか?、基礎研究と応用研究では問いに質の違いがあるのではないか?、基礎・本を読むには始めは複数の入門書を複数読むのがよい、等々の意見が対話で交わされ、資料の読み方について考えを深めることができました。

今回の読書会では各分野の「違い」にフォーカスされましたが、それでは「共通点」は何か? 学術的(あるいは科学的といってもいいかもしれない)な正しさを担保するものは何なのか? 

先のことにはなりますが、論理学や科学哲学に関する書籍を読んでその点をもっと深めていきたいと感じました。
【目的】
・速読の本は概要を掴みたい。精読する本は忘れずに、かつ持続できるようにしたい。
・本を生産性高く読むことができるようになりたい。
・今日のゴールは批判的読解というものを理解する。

【気づき】
Before
・本を読むというのはどのような分野か
After
・理系と文系、基礎と応用、文脈が著者と同じか異なるかで読み方が違ってくるということに気づいた。
小さな一歩
・クリティカルシンキングをしたい。批判的、生死を分けるほど重要。

Before
・速読する本と精読する本の読み方の違いは何か。
After
・新しい問いを立てるためにはどうしたらよいか。
・基礎と応用が違う。応用は問いがはっきりしている。基礎は問いを立てるところからスタート。
小さな一歩
・常識を外す。複数の本を読んで、自分の考えとのギャップに気づいていく。文章に書いていく。

気づき
・いつもより幅広い読み方があり、文系と理系、基礎と応用などの読み方があるのだとわかりました。
小さな一歩
・複数の入門書を読んでみる。問いを立てながら、イノベーションの方法である既存の組み合わせを見つけてみる。



【対話】
Q この本の対象はどのような分野か?
A 
・83ページ。テキストの性質を明らかにし、コンテクストとの関係性を明らかにする。人文科学、社会科学系に使われるようになっている。
・この本の対象は人文科学、社会科学

気づき
・理系のことは言及されないのか。
・理系の分野でクリティカルリーディングは成立するのか。
・本を読むということについて、普遍的な方法はあるのか。どの分野にも通用する方法があるのか。


Q 本を読みながら、オリジナルな問い、答えを思いつくコツは?

A 
・課題図書をいきなり読むのではなく、入門書または辞典を複数読む。入門書ごとのスタンスの違いがわかる。そこから問いが生まれる余地が出てくる。
・入門書は新しいところから読む。古い論点が含まれているから。差を意識する。
・注意点:課題図書の良し悪しがある。その本がオリジナルな意見があるのか読み終わる前に、見極める。

気づき
・複数の本を読み比べるのが大切→違いに気づく→新しいものが出てくる。
・本を見抜く。読み始めたからといって、全部読まなくてもよい。筋が悪いと思ったら、読み進めるのを止める。


Q理系と文系で本の読み方の違いは?
A
・理系:データ、実験手法の妥当性が大事。文脈は共有されている。

・文系:これまでにない新しい結論を出して、論理的に主張する。文脈が共有されていないことが前提。過去どうだったかが大事。

・同じ言葉でも学派によって違う解釈になる。

・物事の価値観が影響を与えているのではないか。この点で実は理系と文系でつながっているのではないか。

・人文科学 ⇆ 社会科学:経済史、理論経済学(文脈の共有程度が違う) 理系

・歌学:国語学(東洋)+言語学(西洋)→共通意識が作れない

Q批判的に読むコツは何か?
A
意見を持つ、一定の論理的根拠をもって他の人にも受け入れられること、事実の検証ができるのか、論理的に正しいか?

気付き
・自分の意見が重要、オリジナルがやはり大事なのだと改めて納得しました。自分を持つということ。

Qオリジナリティを出す読み方は?
A
・複数の入門書を読む。
理由:書いている人の立場によって、主張、方法論が異なってくる。2つのどちらかに寄るのではなく、よいところを取れば、オリジナルが出てくる。
整合性が大切。これがないと理解されない。既存の要素の新しい組み合わせ。

・新しい文脈を発見することがオリジナリティを出すことにつながる。

・既存の見方ではない、第3の見方、切り口を見つけ出すこと。

・経済学ではイノベーションとは、既存の要素の新たな組み合わせである。

・応用:論点がはっきりしている。変数を変えてみて、探索すればいつかは最適な答えにたどり着く。問いを見つけるのは簡単だが答えを見つけるのが難しい。

・基礎:クリティカルリーディングから新しいものが出てくる。問いを見つけるのが難しい。

Q 問いを見つける読み方とは?
A
・複数本を読む。

・読んだ内容をもう一度、頭の中で組み立て直す。
→論理を追う。歩きながら考えるときには、自分の身の丈にあった考え。今の仕事の目的は何だったか。一旦、寝かせる。

・自然科学:条件を統一すれば同じ結論に達する。

・人間は人それぞれ。多くの人に合意を得られるような文脈を見つけることができるとよいのではないか。→正しさの担保。読者が著者と別の文脈を持っていれば、問いが見つかる。同じ文脈だと、問いが見つかりにくい。

・スラスラ読めて理解できると良いということは、新しいことを得るのにあまり意味がないかもしれない。
→すでにその考えを図らずとも、著者と共有していたことになる。
→違和感から問いを立てていく。そこから著者に近づいていく。

違和感:常識と思っていたものと違う内容だったとき。
スラスラ読める場合は、著者の考えに納得しているとか、同意しているのではないか?スラスラ読めない場合は著者とは意見が違うということと思った。



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次回のアカデミック読書会の日時・場所とテーマは下記のとおりです。

【日時・場所】
・8月6日(木)20:00~21:30(予定)@オンライン(ZOOMに開催)

【テーマ】
・得た情報をどう整理しアウトプットにつなげるか?
・佐藤望編著、湯川武、横山千晶、近藤明彦著(2020)『アカデミック・スキルズ 第3版 ―大学生のための知的技法入門』(慶應義塾大学出版会) 「第5章 情報整理」

下記URLより詳細をご確認いただきお申込みください
https://www.read4action.com/event/detail/?id=7848

ご参加お待ちしております。


ファシリテーター

中崎 倫子

ナカサキ トモコ

Profile

大阪大学・言語文化研究科・大阪大学言語文化研究科博士前期課程修了後、いまは大学図書館で図書館司書をしています。大学図書館では「9××の分類の本はどこにあるか教えてほしい」「いい資料がないから一緒に探してほしい」「図書館のデータベースの使い方を教えてほしい」など、図書館の利用案内や資料に関するご相談の対応などをしています。

得意とする分野は、現在の大学図書館勤務の経験を活かした「学術(アカデミック)」です。大学で必要なスキルをテーマにした読書会(「アカデミック読書会」)の開催経験があります。

ビジネスの分野では、リベラル・アーツ(人文科学、美術等)やロジック(論理的思考、データ(数字)分析等)、大人の学びに関する読書会を得意としています。

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