新規会員登録はこちら パスワードを忘れた場合はこちら

レポート詳細

帝国とナショナリズム

2021年4月22日(木) 20:00~21:30(ご入室19:55~)※終了時間は若干前後します

東京都

オンライン(ZOOMにて開催)

今回(第22回)のアカデミック読書会では、「公定ナショナリズムは帝国主義の時代においてどのような役割を果たしたのか?」をテーマに、ベネディクト・アンダーソン著『想像の共同体』「VI 公定ナショナリズムと帝国主義」を読みました。

そもそものナショナリズムの起源は「出版資本主義」「印刷・出版技術」「(聖なる言葉ではない、土着の)俗語」であり、自然発生的なものでしたが、「公定ナショナリズム」とは、多民族を抱える帝国(王朝)が延命を図るために、自然発生的なナショナリズムと帝国を繋ぎ合わせて造った人為的なナショナリズムであるということができます。広大な領土を支配していた帝国(王朝)は、内に多様な民族を抱えていたため、支配の正当性を主張するために、自らも「国民」であることを主張せざるを得ない状況下のなかで、「公定ナショナリズム」は想像されました。

次回のアカデミック読書会では、帝国主義の植民地で発生したナショナリズムをテーマにします。今回の読書会は、「クレオール・ナショナリズム」「言語(俗語)ナショナリズム」「公定ナショナリズム」の次の「最後の波(植民地ナショナリズム)」とはどのようなものか、を想起させる読書会でした。
【目的】
・人工知能をナショナリストにするにはどうしたらよいかヒントを得たい
・行間を埋めるものを得たい
・公定ナショナリズムについて深めたい
・難しい本を少しは理解できるようにしたい

【質問と答え】
Q 公定にはどのような意味があるか
A
・公定;国民と帝国の意図的な合同
気づき
・ナショナリズムは自然発生的ではなく、公定である。
・いくつかの種類がある
—————————————
Q ナショナリズムはどのようなものか。公定された、とは?
A
・大きな領土、多言語の寄せ集めの国において、国民を支配するためには、ナショナリズムの概念が必要だった
・それにより王朝の権力が維持されてきた
気づき
・まとめるには王朝が決めたナショナリズムが必要
—————————————
Q 公定ナショナリズムは支配者集団の予防措置、とは?
A
・応戦
・支配層の生存戦略
・施策が似ている
気づき
・民主的なナショナリズムに対する公定ナショナリズム
・共通点:教育、官僚主導
—————————————
Q 公定ナショナリズムはなぜ終わったのか
A
・特徴からして終わりは予言:王朝は出版言語の範囲を超えている。
・もともとナショナリズムは出版言語から生まれた。言葉の宿命上、帝国ほどには広がらない。
・その予防として、出版言語から生まれたナショナリズムを採用とした。出版言語と帝国の範囲の矛盾。
気づき
・日本は公定ナショナリズムなのか? 出版言語とほとんど同じではないか。


【対話内容】
公定ナショナリズムは帝国主義の時代においてどのような役割を果たしたのか?
・最初は便宜上のもの。通じる言語。
・正義:王の支配の正当性
・日本:宗教が公定ナショナリズムの要素の一つか。
・公定ナショナリズム;国民と王国の矛盾を隠蔽→国民のためという名目で、国民の独立の動きを抑えようとした。
・国民と王朝帝国の利害が一致している間はよかった
・利害が一致しなくなる状況になると矛盾が明らかに
・利害:経済、文化

・公定ナショナリズムにおいて国民の利益はあったのか
・周辺化に対抗することが目的であるため、国民にとっては害が多かったのではないか。
・メリット:どこでも働ける、国防
・本当に国民のことを考えていた王もいた
・公定ナショナリズムの行き着く先が帝国主義
・利害一致:順機能を持っていた  利害不一致:逆機能
・同族意識の面積が広がった


【気づきと小さな一歩】
・公定ナショナリズムはいわばその場しのぎだった。その場しのぎではだんだんと苦しくなる
・自分の行動がその場凌ぎになっていないか、悪い方向に向かっていないか考える。
・帝国主義は公定ナショナリズムがあったことの必然。作られたナショナリズムに対して反抗するのではなく、自分の意見を持っていかなければならない。
・公定ナショナリズムは標準化をもたらすという役割を果たした。
・標準化が及ばないところは特殊な状態のままに残さざるを得ない。
・公定ナショナリズムを国民の目線から見ることができた。
・国民目線でこの本を読んでみる。
・公定ナショナリズムはある種の儀礼。共同体から弾き出された王様が共同体に入るための儀式。
・人工知能をナショナリストにするには、巡礼の旅というプロセスという儀式が必要かもしれない。

------
【次回の読書会のご案内】

■開催日時・場所
・2021年5月13日(木)20:00~21:30 @ZOOM

■テーマ
・近代教育政策は植民地ナショナリズム(主としてアジア、アフリカの植民地で発生したナショナリズム)形成にどのように関わったか?

■課題本
・ベネディクト・アンダーソン著、白石隆・白石さや訳『定本 想像の共同体 ナショナリズムの起源と流行』(社会科学の冒険II 4) 書籍工房早山

■詳細・申込み
※https://www.read4action.com/event/detail/?id=8187


ファシリテーター

中崎 倫子

ナカサキ トモコ

Profile

【学歴】
■筑波大学 第二学群 日本語・日本文化学類 卒業
■大阪大学 言語文化研究科 博士前期課程 修了

【現在の職業】
■大学図書館司書(本業)
・レファレンス業務
・ガイダンス講義(ZOOM) / 動画作成
・図書館ホームページ作成 等
■その他
・学修サポーター
・読書会ファシリテーター
・noteクリエイター

【主な実績】
■学修サポーター
▼アルマクリエイション
・知識創造クイックスタート講座:100冊読書勉強会ファシリテーター(2020年10月~2021年1月)
■読書会ファシリテーター
▼Read for Action
・アカデミック読書会:読書会ファシリテーター(2020年7月~)
■SNS
▼note
・私家版 学術関係リンク集 ※Twitterで共有→Impressions19万以上
https://note.com/rin12/n/n4d6c76046f51

キャッチコピー

何か壁にぶつかったとき、一人では解決の糸口すら見えないこともあります。そんなときには読書会に参加してみましょう。新しい本、新しい人との出会いが、別の視点を与えて、小さな一歩を促してくれます。

このファシリテーターに問い合わせる

ニュース





▲このページのトップへ

リードフォーアクション

東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティW16階  〒150-0043

Copyright © Read for Action All Rights Reserved.