レポート詳細

skype読書会5
2017年6月10日(土) 20:00 - 22:00
東京都
Anywhere you want
・・むしろ我々は、愚者のために書く執筆者が常に多数の読者に迎えられるという事実を思い、つねに読書のために一定の短い時間をとって、その間は比類なく卓越した精神の持ち主、すなわちあらゆる時代、あらゆる民族の生んだ天才の作品だけを熟読すべきである。彼らの作品の特徴を、とやかく論ずる必要はない。良書とだけいえば、誰にでも通ずる作品である。このような作品だけが、真に我々を育て、我々を啓発する。
世の中に数多ある読書論ですが、その古典とも言えるショーペンハウエルの『読書について』で読書会を行いました。ショーペンハウエルのいう「良書」とは何かなどについて多様な意見が出たことが自分にとっても新鮮でした。
兎にも角にも「読まずに済ます技術」というものの重要性に関してはみなさんで納得感がありました。
悪書に時間を取られてはならないと。
”現代の文筆家、すなわちパンが目当ての執筆者、濫作家たちが時代のよき趣味、真の教養に対して企てた謀反は成功した。それは奸知にたけた悪事ではあったが、めざましいものであった。すなわち彼らは、上流社会全体の手綱をとることにせいこうしたのであるが、その秘訣は時代遅れにならない読書法に励むように、つまりいつも皆で同じ新しいものをよんで、会合の際の話題に事欠かないように、上品な連中を訓練したことである。
”
ショーペンハウエル『読書について』