レポート詳細

「古典は古い本」ではなく現代に生きていることを知る読書会39
2017年10月21日(土) 20:00 - 22:00
東京都
Anywhere you want
さらに正確に言えば、われわれは彼らの未来を守るのではなく、彼らがなお無自覚でありながら、実は彼らを存在せしめている根本のもの、すなわち、我が歴史・文化・伝統を守るほかはないのである。これこそ前衛としての反革命であり、前衛としての反革命は世論、今や左も右も最もその顔色をうかがっている世論の支持によって動くのではない。
今日は、三島由紀夫で読書会でした。自国の文化や伝統も知らずには正常性を保つことは困難であるというところは改めて強く感じた次第です。
”もちろん言論の自由は絶対的価値ではなく、それ自体が時には文化を腐敗させることは現下の日本に見る通りであり、ともすると言論の自由が文化の創造的伝統性格とヒエラルヒーを失わせ、文化の全体性の平面のみを支持して、全体性の立体性を失わせる欠点があるけれども、相対的にはこれ以上良いものは見当たらず、これ以上、相手が他に対する思想的寛容という精神的優越性を保たせるものはない。
”
三島由紀夫『文化防衛論』