レポート詳細

「古典は古い本」ではなく現代に生きていることを知る読書会40
2017年10月28日(土) 10:00 - 12:00
大阪府
大阪府大阪市北区茶屋町1-27ABC-MART梅田ビル1Fサンマルクカフェ 大阪梅田茶屋町店
ところでこういう風に各組織体がみんなタコツボ化しますと、その組織体は、それに属するメンバーというものを、丸ごと飲み込んでしまうわけであります。メンバーを丸抱えにしてしまうから、従ってその相互の間に共通の言葉、共通の判断基準というものが自主的に、つまり下から形成されるチャンスは自ずから甚だ乏しくなる。
戦後日本を批判的に捉えた丸山眞男の一冊で読書会をしました。彼の批判力の鋭さと彼の批判されるべき点について議論を重ねられました。
”現在の日本全体としては必ずしもクローズド・ソサエティではない、それどころか日本全体としては、八方破で、世界中に向かって開かれている。そこで日本の国内の集団がタコツボ化して、それぞれのタコツボ化した集団がインターナショナルには外に向かって開かれているということになる。つまり日本自身はクローズド・ソサエティのように横に等質的なコミュニケーションがなくて、かえってそれぞれの集団がそれぞれのルートで、外のインターナショナルなルートとつながっている、という非常に奇妙な状況が見られる。
”
丸山眞男『日本の思想』